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2008.08.03 (Sun)

あの大惨事のミサで泣いたルゴ次期大統領はノーベル経済学者を経済顧問に迎える!

8月1日、この日は500人以上が犠牲になった
アスンシオンの
大型スーパー・イクア・ボラーニョス(Ycua Bolanos)
で起きた大火災の4周忌で市内で被害者家族が集まって
ミサを行った。

8月15日の大統領就任式を前にしたルゴ次期大統領は
スーパーボラニョスの大惨事の4周年の追悼集会で
マイクの前に立ったのだが、途中で感極まったのか
暫し言葉が途切れ目に涙がにじんできた。

テレビカメラは彼の顔をアップでとらえた。
横に立っていた側近に肩を抱かれて気を取り直した
ルゴ次期大統領は声を振り絞って追悼の挨拶を続けた。

大の男がそれも間もなく大統領に就任しようとする
国家元首たる人物が公共の場で泣き顔を
テレビカメラにアップでとらえられるなど
ちょっと、どうかな…?
との思いにとらわれたのだが、
あの大惨事を目前にしていればムリもないだろう。

ルゴ次期大統領の涙にボクは彼の人間味をみた。
彼はいい大統領になるだろう。

今にして思えば、パラグアイ人特有の恥部をさらけ出したような
この大惨事は、新生パラグアイの産みの苦しみだったのかもしれない。


世界でも例がないこの未曾有の大惨事の時、
丁度、ボクは日本にいた。

7月の参院選出馬で大敗したボクはカミさんと
パラグアイ帰国までのポッカリ空いた数日、
千葉の友人の好意で彼のマンショんに泊まっていた。

テーブルで朝食をとっている時、NHKテレビが
「パラグアイの首都アスンシオンのスーパーで大火災が起き
数百人もの犠牲者が出た模様です」と報じた。

ビックリ仰天したカミさんはすぐパラグアイに電話した。
幸い日系人の被害者は出ていないようだった。

この大惨事で何より世界中の人々を驚かせたのが
火事発生当時、スーパーの店主が取った行動だった。

この店主はお客の人命救助を優先するよりも
商品の盗難を恐れて
出入り口のシャッターを全部閉めさせたことだった。

以下、当時の状況を伝える日系ジャーナルの
記事を掲載しよう。





◎パ国史上最悪の大惨事
 (日系ジャーナル 04年 7月31日)


ア市内スーパー爆発炎上 - 死者375人以上の見込み:

買い物客、食事に訪れた家族連れ1000人を越える人達が史上最悪の大惨事に見舞われた。事件は午前11時半、トリニダー地区のスーパマーケット“ウクア・ボラニョ”内の食事ホールでガスボンベから漏れたガスが引火して爆発を起こしたもので、これが大火災の元とされる説が最も有力とされている。火災発生時に同スーパーのオーナであるファン・ピオ・パイバかその息子のダニエル・パイバ・エスピノラがパニックに乗じて商品を強奪されるのを恐れ警備員にスーパーの全出入り口の封鎖を命じたため(確定はされていないがゲートの封鎖に関しては多数の証言が一致している)ゲートに阻まれ逃げ遅れた人達がこの悲惨な
大惨事の犠牲者となった。

厚生省は原因の究明に特別委員会を設置しテレサ・ソサ検察官を総括役に任命。火災現場に到着したテレサ・ソサ検察官は状況証拠及び多数の証言を元に早速パイバ親子を業務上過失致死罪の疑いで逮捕した。

 厚いガラスの壁に阻まれ助けを叫ぶ人々:

 火災現場のすぐ近くに住むシルビア・ディエスさんは爆発音が聞こえるとスーパーで働く19才の妹の元へ走って向かったが現場に着いた頃にはすでに入口は封鎖されており、厚いガラスの壁の向こう側からは助けを求める大勢の人々が目に入ってきたという。近隣住民とともに石などでガラスを割って助けようとしたが妹の同僚から従業員たちは警備員が奥のゲートも閉じたため逃げ遅れた事を告げられるとなすすべもなく地面に泣き崩れ「これから残された6ヶ月になる妹の子供はどうすればいいのか」と悲痛な叫び声をあげた。

爆発とともに天井が崩れる:

生き地獄から運良く脱出する事が出来たネストル・ベラスケスさんの証言によると当日は奥さんと一歳になる娘と買い物に訪れており、会計所で支払いを済ませている最中に突然爆発が起き一瞬にして天井が崩れ落ち辺り一辺は煙と炎の地獄に化した。「私と家族は神に守られて助かったが、残された人達のことを思うと無念でならい」と救急病院で火傷の手当を受けながら人生で最も悲惨な経験を報道陣に話した。

 ニカノル大統領、国喪宣言:

近隣住民やボランティアの消防隊員500名が混沌とした現場で消火活動及び救難作業に危険を顧みず夜を徹して行い、また多くの病院が門戸を開放して負傷者の手当に当たるなどしたが、時間が進むに連れて当初推定された100人をはるかに越える死亡者の数(未確定だが300名)が明らかになっていき国全体が悲しみに覆われ、ニカノル大統領は「2日(月)を国喪の日」と宣言した。

 在パ日本国大使館、JICA及び日本人会連合会に日系人・日本人の犠牲者の有無を問い合わせたところ不幸中の幸いで一人もいないとの事だ。
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(写真 ABC)


◎スーパー大火事-汚れの溜まった煙突が原因
(日系ジャーナル 04年 8月15日)


十日の昼、検察及び警察が数分で炎上したウクア・ボラニョススーパーの4百人以上の死者を出した火事の原因及び炎の広がり方を発表した。
 検察庁から任命されたホセ・ボガリン警察消防隊員はATF及びフォルモーサの州警察の指導に基づいて現場検査し、火事の原因は二階の台所にすえつけてある四五センチの焼肉場の煙突から始まったと報告した。
 同煙突はS字型に天井と屋根の間で曲がっており、その中に溜まった油及び煤が炎上して始まったものだと述べた。この煙突は、料理に使っている最中高温度になり溶接で結合している部分がはがれた後、天井のプラスチック機材の部分が徐々に燃え広がり屋根裏に二百度以上の高温のガスが充満し天井が変形し徐々に崩れ出した。
 その後天井に穴があき酸素を得た火は猛スピードで
全施設を炎上させた。
 また、天井が崩れた時にback draft現象と呼ばれる高温と平常温のガスが衝突する事によって爆発が起こり、その勢いで炎はスーパーの中を駐車場にたどり着くまでV字型に進み、一方はレジ、もう一方はパン屋の方向へ途中にある炎上可能物全てを燃やしながら広がった。
 この間に幾つかの爆発が起こったがそれは柱の折れ倒れやイースト菌冷蔵庫のコンプレッサー、エアコン、スプレー等の爆発音であり、当事者達は爆発物の設置と勘違いしたと報告している。そして、同警察官は風を通す機械が一つしかなくもっと別の通風設備を整えなければいけなかった。

 このため高温の煙は天井裏全体に広がり、およそ二百度に達した時天井が崩れ酸素により炎を拡大しながら広がったと述べた。

 警報機が稼動したか未だに分からない。

 天井が崩れ落ちる以前の屋根裏全体の加熱には大体二時間ぐらいかかっておりその黒い煙は天井落下するまで分からなかった、しかし煙及び温度探知機が稼動していたらこの火事は防止することが可能であっただろうとエデゥガル・サンチェス検事が述べた。同施設は風通しが悪く空気が少ないため警報機が正常に稼動したかが定かでない。その外に、この施設には火事警報機も設置していたがこれも稼動したかが分からないと
付け加えた。
 食堂にいた客及び職員達はサンティシマ・トゥリニダドゥ通沿いにある大手口まで走って脱出する事が出来た。

天井で音がした:

天井でネズミが駆回るような音を聞いたと同スーパーのアマンダ・コレア炊事場長が検事の審問に答えているが、その音は油と煤の加熱している音だったことを専門家達が主張した。



◎ウクア・ボラニョスのオーナー及び警備員、
 監獄に収監される
(日系ジャーナル 04年 8月15日)


ウクア・ボラニョスのオーナー、フアン・ピオ・パイバ、警備員イスマエル・アルカラス、フェデル・サンチェス及びホルヘ・ルイス・ペナジョらは三日、ペドロ・ダリオ・ポルティリョ判事令により刑務所入りした。
 その他の、ビクトル・ダニエル・パイバ・エスピノサは弁護士がいないため判決を五日まで延長し、ウンベルト・カサックシア・ロマグニ社長は警察警備による家庭監禁令を出し、四人目の警備員ダニエル・アレコには緊急病院にて審問した上、退院後その他の容疑者とともに
監禁令を出した。
 更に、今年の一二月二日を検事告発日と決定した。

差し押さえ:

同判事はパイバ及び法人名義で登録されている資産六百億グアラニーの差し押さえ令を出した。内訳は、フアン・ピオ・パイバ及びマリア・ビクトリア・カセレス・パイバ名義で三口座、ウクア・ボラニョスCSA名義で二口座、ウクア・ボラニョスInd.Com.SA名義で二口座、ウクア・ボラニョスSRL名義で四口座、ウクアSA名義で二口座及びウスルSA名義で二口座、合計十五のドル及びグアラニー口座がある。
 カサックシアに関しては資産販売及び担保禁止及び三〇日以内に十億グアラニーの保釈金提出令を出した。

「人生の一つのできごとだ」とピオ・パイバ囚人

 ピオ・パイバは報道陣に「この事態は人生のひとつであり両親は穏やかにおちついている」と大実業家から一般囚人になった感想を述べた。
 また、事件の責任について「大惨事であり誰よりも自分が一番辛い思いをしている。また、災害を避ける事は誰も出来なかったであろう」と主張し、最後に、神と司法に決断を任せると締めくくった。

8月01日午前11:30頃に爆発・火災が起き、当日の午後の7時までで300人近くの死者(最終的には400人を超えた。また子供が40人含まれている)を出す惨事となった。給料日直後の日曜日、天気も気候も良く昼前の時間で多くの買物客・昼食を摂る客でかなり
混雑してようだ。原因は電気のショートではないかと推定されている。
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(写真ABC)

ノーベル経済学者を経済顧問に迎えて
パラグアイの改革を図るルゴ新大統領


史上初めてカトリック司祭から大統領になった人物として
歴史に名前を刻むルゴ氏は、恥ずべきパラグアイの大惨事での
ミサで涙を見せた。

彼はまた、本気でこの国の改革を図ろうとしている。
その証しとして、ノーベル経済学賞を受賞した
米コロンビア大学のジョゼフ・スティグリッツ教授を新政府の
経済顧問に迎える事を発表した。

同教授は、グローバリズムを批判した著書
「世界を不幸にしたGローバリズムの正体」を出し、
ベストセラーになっている。




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タグ : 新生パラグアイ

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