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2008.01.23 (Wed)

巻頭言

日系ジャーナル新年特別号がやっと先週末出来上がった。
下記は恒例の巻頭言です。

破局を迎えた西欧型文明に代わる
自然共生型の日本文明


新年明けましておめでとうございます。
期待に満ちた新年が明けましたが、
期待と裏腹に厳しい年明けとなった。
昨年、世界はアメリカ発のサブプライムショックと
原油高騰という二重苦によって翻弄され、
その大波は静まる気配を見せぬまま2008年に突入した。

原油高騰は多分に人為的な作為による部分が
大きいもののこの暴走を押さえる糸口を見いだせずに
荒波に翻弄され続けている。
これまでも世界は幾たびとなく破局の深淵を覗く
瀬戸際に追い込まれたものの
何とかそれらの危機を回避してきた。      

しかし、今回のダブルショックは世界中の金融界に
時限爆弾を放り込んだに等しくその除去は困難を極める。
そして原油高騰は近代社会の根底を揺るがす
破壊力を秘めている。

これらの危機はかえって従来顧みられることの
少なかった資源食糧大国南米の価値を再認識させるものとなった。
 
世界のリーダー役を果たしてきたアメリカだが、
このダブルショックでアメリカのドルの威信も
“資源”や“食“に於ける優位も大きく揺らいできた。
つまり、アメリカの穀倉地帯は地下水を
がぶ飲みすることによって支えられてきた。

その肝心の化石帯水層の枯渇が囁かれてきた。
さらにアメリカの農民が大型機械化によって
抱える莫大な借金も大きな問題になっている。  

地下水の枯渇に加えて異常気象が常態となった
昨今の干ばつも拍車をかけている。

地下水の過剰なくみ上げはアメリカだけでなく
中国やインド等でもより深刻な問題になっている。

食糧危機の最大の問題は成長著しい中国(13億人)、
インド(9億人)をはじめとした「食の欧風化」だ。
一体彼らの胃袋を誰が支えるというのか?

日本や欧米の先進国では、飽食による太りすぎで
ダイエット・フィットネスが大はやりの一方、
毎日3万人の子どもたちが餓死している。

地球上でおよそ5人に1人が栄養不良や飢えで苦しみ、
1年間で約1,000万人、餓死している。

食糧配分のアンバランスは結局、
経済の南北問題に尽きるのだが、
飽食の日本では1年間で約1000万人分の
食糧がゴミ(約半分が生ゴミ)として棄てられている
というデータは忍びない。


秘かに進行する「劣等民族は削除されて然るべき」
という“優生学“の思想


さらに問題なのは、食糧の生産量を上げるために
近年爆発的に拡大を続ける遺伝子組み換え作物農業が
世界中を席巻していることだ。

遺伝子組み換え作物のフランケンシュタイン化は
それを食糧とする人間を微妙に破壊し汚染し続けている。

今や世界中の食糧の生殺与奪権を握っているのは、
いわゆる「穀物メジャー」であり、
食糧の流通に支配力を持つ「多国籍企業」だ。

ここで気になる昨今の医学会の報告によると
「70年代に生まれた人は、50年代に生まれた人に比べ、
運動能力のある精子が24%も減った計算になる」
(英国・スチュワート・アービン博士)そうだ。

意図的に原油高騰を煽り、金融危機を招いた
巨大な力を持つ陰のグループがいるとしたら、
食糧の分野に於いても我々はまんまと彼らの術中にはまり
地球のがん細胞となった人類を削減(エイズ、SARS・サーズ、
鳥インフルエンザ等々)するという筋書きに
協力しているのかもしれない。

確かに南米は世界の食糧基地である。
だが、やっと南米の出番がきたとしてやみくもに
喜々として農業生産拡大を続けていくと、
一方で環境破壊を引き起こし、
さらなる地球の温暖化に拍車をかけることにつながる。
 
資源を乱費し化石燃料をフルに活用する西欧型文明が
20世紀の世界を主導し発展させてきたわけだが、
このブルドーザー型使い捨て文明を継続すれば
間違いなく人類は滅亡する。

日本も西欧文明を導入し、追随することによって
世界第二の経済大国にのし上がった。


破滅を回避する“叡智”は「自然と共生する生き方」を
持つ日本文明に


かっての日本は慎ましやかな足ることを知る、
自然と共生する文明があった。

その日本の素晴しい本質を見抜いた人物がいた。

「私が断じて滅びないことを願う1つの国民がいる。
それは日本人だ。あれほど興味ある太古からの文明は
消滅させてはならない。日本は驚くべき発展をしたが、
それは当然で、他の如何なる国民にもこれほどの資格はない。
彼等は貧乏だ。しかし、高貴だ。」
(第二次世界大戦中、日本の敗色が次第に
濃厚となりつつあった1943年に、
大正時代の駐日フランス大使で劇作家・詩人の
クローデルがフランスの詩人・思想家
ポールヴァレリーに語った言葉)

今の日本人は貧乏とは言えない。
だが、残念ながら果たして“高貴”だ、
と胸を張れるか、甚だ疑問だ。

西欧の怒濤のような植民地化の大波で
400年近い植民地に甘んじたインド、
無惨な姿に陥った中国、切り刻まれたイスラム圏。
これら暴力的な植民地化の荒波に東洋で唯一、
立ちふさがり、アジアを解放した誇り高き日本。

だが、その誇り高き日本精神は戦勝国による
自虐史観(war guilt information program)の
刷り込みによって完全に骨抜きにされ洗脳されてしまった。

以後の日本はアメリカの庇護の下、
ひたすら経済至上主義路線を突っ走った。

だが、経済大国という目標を達成した
母国日本は次なる国家目標を見いだせず立ちすくんでいる。

一方、幸いにして海外居住の移住者たちは
自虐史観の害毒に侵されることなく戦前の
日本精神を矜持(きょうじ)している。

欧米の自然征服型の文明に抗して自然共生型の
文明のDNAを持つ我々移住者は南米という
異文化の中で牽引車としてのステイタスを
血と汗を流して確立した。

我々移住者が自信をもってこのパラグアイの地で
新たな自然共生型の生き方を提示することが
破滅回避の小さな源流となり、
やがてその流れは大河となって地球再生につながるだろう。




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タグ : 日系ジャーナル紙・巻頭言

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