2017年08月/ 07月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09月

2007.10.11 (Thu)

ど~っ !と疲れた 塩野七生著「「男たちへ」

以前から本屋へ行く度、書棚の「ローマ人の物語」を
横目に見てはこの15巻もの大著を今のボクには、
読みこなす自信はないし、
「ローマ帝国衰亡史」(ギボン著)をかって読んでいるし、
マッいいか…、と手にとることもなかった。

ローマ帝国衰亡史〈1〉五賢帝時代とローマ帝国衰亡の兆し (ちくま学芸文庫)ローマ帝国衰亡史〈1〉五賢帝時代とローマ帝国衰亡の兆し (ちくま学芸文庫)
(1995/12)
エドワード ギボン

商品詳細を見る


過日、本屋に行ったついでに塩野七生著「男たちへ」を
買って読んだ。

男たちへ―フツウの男をフツウでない男にするための54章 (文春文庫)男たちへ―フツウの男をフツウでない男にするための54章 (文春文庫)
(1993/02)
塩野 七生

商品詳細を見る

普通エッセー集なんてなものは、寝転がって気楽に
読み飛ばすものだが、彼女のエッセーには
ド~ッと疲れた。

確かに彼女は大変なエリート作家なんだろうし、
お育ちもよろしいのだろう。

随所に出てくる登場人物を“下品”だの“卑しい”と
バッサリ切り捨てる背後に見える作者の
裏返しの“驕り”が垣間見えてゲンナリしたのである。

悪戦しつつも斜め読みする中でさすが !
 と感服するような深い洞察力ある箇所もある。

例えば“食べ方について”の章で
あの天下の美男スター、
アラン・ドロンを取り上げる。

もう遥か昔、ダーバンのCMに出てくる
この美男スターを遡上に上げる。

彼女はこのコマーシャルを次のように褒め上げる。
「ヨーロッパが、漂っていたのである。フランスではない
『ヨーロッパ』を、彼は体現していた」ーと。

このCMが流れていたのは、ボクがパラグアイに
移住する前だったから、もう30年以上になるだろう。

ボクもこのコマーシャルは好きだった。

彼女はアラン・ドロンについて
やはり「鼻から下が卑しいのである」と切って棄てる。

8年間に及ぶ全編のCMを電通の担当者から見せて
もらった後、殆ど素晴らしかったけど、
1編だけ気になる所があると担当者に指摘した。

ーとその担当者、待っていたとばかりに
「あのシーンは何度となくやり直したんですよ。
でも、結局、うまくいかなかった」と答えた。

ダーバンという紳士服は高級品である。
となれば、食事シーンも嫌でも高級レストランの
場面を設定するしかない。

食事の場面程、育ちを現すものはない。
ここでアラン・ドロンという人間の子供時代の
家庭環境が露呈したのである。


東京都立日比谷高等学校、
学習院大学文学部哲学科卒業という経歴からも
かっては、お嬢様だったのであろう
彼女の高慢な自負に辟易しつつも
この眼力にはイヤ~参った参った !


それともう一つしびれた文章がある。
それが
「優しさは、哀しさでもあるのだ。
これに至った時、人間は成熟したといえる」

これを目にした時、ボクは
厳寒の越後で暮らした良寛の
優しさと哀しみを想った。

因に
「七生」(ななみ)の名は、7月7日の「生まれ」で
あることに由来するそうだ。



ランキングに登録しました。
良かったら、クリックして下さい。


テーマ : 読んだ本 - ジャンル : 本・雑誌

タグ :

23:00  |  エッセー  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除するのに必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示
 (現在非公開コメント投稿不可)
 

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://saketobara.blog50.fc2.com/tb.php/218-c25d2a94
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | HOME |